事故らない設定と、毎日の任せ方の話をします。
この資料では朱色を「危険・NG」の印として使います。
設定情報の確認日:2026年8月(AIツールの仕様は動きが速いので、日付のない資料は信じない)
スライドはここで止めて、ここからはライブでやります。
2本とも、毎日の業務にある作業から選びました。
この2本は、あとで「任せ方の型」として全文を配ります。
ポイント:①は確認を自分の手でやる。②は確認まで任せて、報告の根拠を自分で検証する。この差が後半の「任せる線」につながります
ポイント:完成形(出力の形式)を先に指定する。コードを書かない業務でも同じ形で使える
うちらは客先常駐で、お客さんの情報を扱っている。
客先の情報を無断でAIに入れる事故は、
個人のキャリアと会社の信用を同時に壊す。
逆に、
ルールを説明できる人は、客先で
「AI使わせてください」を通せる人になる。
→ この話は第3回「単価の話」に続く。もう毎日AIを使っている人は、今日は使い方ではなくここを持ち帰ってください。
これから見せる各ツールの設定は2026年8月に確認した。UIは変わるので、この3点で自力で追えるようになるのが今日のゴールです。
Claude CodeのようなエージェントはファイルもコマンドもWebも触れる。そこで生まれた攻撃がプロンプトインジェクション — 読ませた文書やWebページに仕込まれた指示で、エージェントが乗っ取られる。
3つ揃ったら攻撃可能、と覚える。対策:①自動承認で走らせるなら隔離した環境で — 本番の鍵と本番への接続は渡さない ②拡張・連携(MCP)は提供元を確認してから足す ③ログは全部読まなくていい。差分・外部通信・実行コマンドの3つを見る。
見分け方はさっきの3点(学習・履歴・管理)と同じ。客先同席の会議では、文字起こしの扱いを先に確認する。
聞きたいのは構造の話で、中身の値ではないことが多い。
置換してから聞けば、聞ける場面が増える。
適用範囲に注意:これはチャットに貼る場面の技術です。エディタやエージェントにリポジトリを直接読ませる場面では置換は効かない — そちらは「許可を取る」「読ませる範囲を絞る」で守る。社名を伏せても、構造から案件が分かることはある。
聞くこと自体が「安全意識のある人」という評価になる。損しない。
太字=今日ライブで見せる型(01・02は冒頭の実演)。* = 客先の情報をほぼ入れずに使える型。制約が厳しい現場は、まずここから試す。
この10個は毎回手で打つものではなく、慣れたら指示ファイル(CLAUDE.md など)や定型コマンドに書いて固定するものです。もう毎日使っている人は固定まで進んでください。やり方は第3回で扱います。
ポイント:「事実は変えない」を付けないと、表現と一緒に内容まで変わることがある。確認なしで送るのはNG
ポイント:着手前に曖昧な箇所が判明するので、手戻りが減る。先に計画を出して止まるモード(Claude Codeの計画モード等)を持つツールもある — 無いツール・聞いてこない場面で、この一言を足す
ポイント:条件を自分で列挙するほど比較の精度が上がる。採否の判断まで任せるのはNG
同じ「要約」でも、元文書と突合できなければ任せてはいけない側に入る。作業名で覚えず、この2つの問い(確かめられるか・戻せるか)で毎回引き直す。
新人とひとつ違うのは、分からないときに黙らず断定してくること(上の例)。コードの間違いはLinterや実行がある程度拾ってくれる。ただしテストが緑=正しい、ではない — AIがテストの方を要求に合わせて書き換えることがあるので、緑になった経緯は差分で確認する。道具が拾えないのは事実・仕様・文章の誤りで、これが断定調で返ってくる(ハルシネーション)。だから確認なしの納品は「任せてはいけない」側。確認して、直して、出す。「AIがやったから」は免責にならない。
「現場のこの作業、AIでどうにかならない?」がある人は手を挙げてください。
いま一緒にやってみます。答えきれない分は次回の持ち込み枠に回します。
今日やったのは「事故らない」と「手元の作業が楽になる」まで。個人が楽になっても、チームの速度はレビューと検証で決まる。しかも体感は当てにならない — 2025年の実測研究(METR)では、熟練開発者はAIを使うと実測で19%遅くなったのに、本人たちは20%速くなったと感じていた。
成果につなげる順番は、①計測する(かかった時間のメモはこのため)、②効いた型だけ残して固定する、③任せる範囲を広げる。この設計を第3回でやります。
METR RCT(2025-07・arXiv:2507.09089):熟練OSS開発者16名・246タスクの無作為化比較。条件つきの結果だが、「体感と実測はズレる」ことの根拠になる。
これから使う人は、試したくなったら
型を1つ選んで、業務で試す。
メモはかかった時間の変化だけで十分です。
もう毎日使っている人は
常駐先のAI利用ルールを1つ確認する。さっきのテンプレがそのまま使えます。
次の一歩は「使う側」から「ルールを通す側」へ — 材料は第3回で扱います。
やるかは自由です。次回は手ぶらでOK。困りごとを1個持ってくれば、持ち込み相談枠でその場で一緒にやります。試した人がいたら、聞かせてください。
次回:AIに「仕事の塊」を任せる回(エージェントの使い方と、客先で承認を取る話)。配布:設定チェックリスト(2026.08版)/NG・グレー・OK早見表/客先確認テンプレ/任せ方の型・全文集/任せる・任せないの判断表
この4つは、さらに先へ進みたい人向けです。URLは配布版のこのページから開けます。